一般社団法人おにぎり協会、第2回「おにぎり食味会」を開催。2018年、おにぎりに合うお米を発表。

2018.03.02

一般社団法人おにぎり協会、第2回「おにぎり食味会」を開催。
2018年、おにぎりに合うお米を発表。

 

一般社団法人おにぎり協会は、おにぎりに向いたコメであるかどうかを8つの評価項目でブラインドで行う「おにぎり食味会」を開催。エントリー9品種のなかで、入賞は3銘柄。コシヒカリは入賞を逃しました。
 

一般社団法人おにぎり協会(本社:東京都港区 代表理事:中村祐介)は“おにぎり向きのコメか”を判断する第2回「おにぎり食味会」(協力:三菱電機 本炭釜KAMADO)を実施、その結果を発表することをお知らせいたします。

おにぎり食味会は、おにぎりに向いたコメであるかどうかを「食味」「食感」「適度な硬さ」「ねばり」「のどごし」「くちほどけ」「包容力」「冷めて旨い」の8つの評価項目で判断するものです。食味会はすべてブラインドで行われます。

今回エントリーしたのは第1回グランプリの「つや姫」をはじめ、前回入賞した「銀河のしずく」「ゆめぴりか」、協会が今年注目する「風さやか」「いちほまれ」「きぬむすめ」「にこまる」「森のくまさん」、さらに全国ナンバーワンの作付面積を誇る「コシヒカリ」を加えた9品種を一同に集めました。

 

 

1.食味会実施日
2018年1月29日

 

 

2.参加メンバー
小池理雄(五ツ星お米マイスター 三代目小池精米店)
三浦洋介(おにぎり浅草宿六 三代目店主)
小高朋子(フードジャーナリスト)
関克紀(一般社団法人おにぎり協会理事)
中村祐介(一般社団法人おにぎり協会代表理事)

 

 

3.エントリー銘柄
『ゆめぴりか』(北海道産・前回3位)
『銀河のしずく』(岩手県産・前回2位)
『つや姫』(山形県産・前回1位)
『コシヒカリ』(新潟県産)
『風さやか』(長野県産・甲信越代表)
『いちほまれ』(福井県産・東海北陸代表)
『きぬむすめ』(島根県産・近畿中国代表)
『にこまる』(愛媛県産・四国代表)
『森のくまさん』(熊本県産・九州沖縄代表)

 

 

4.実施方法
ブラインドによる審査。各銘柄とも同一炊飯器(三菱電機 本炭釜KAMADO)を使用。研ぎ回数、浸水時間(60分)、水分量(3合につき540cc)、炊飯方法(うま早モード)等、同一条件で炊飯。調理はすべて、同一人物。いずれも海苔なしの塩にぎり。「炊きたて・にぎりたて」の状態で7項目、「にぎってから4時間後」に「冷めて旨い」を採点。8項目の基準に対し、審査員5名が各々5点満点で採点(各項目合計25点満点)。計8項目で200点満点。

 

 

5.おにぎり評価8項目
「食味」・・・甘み、旨味
「食感」・・・粒感
「適度な硬さ」・・・歯ざわり、歯ごたえ
「ねばり」・・・ねばり
「のどごし」・・・のどで感じる心地よさ
※「くちほどけ」・・・上あごと舌など、口内で感じる心地よさ
※「包容力」・・・具材との相性、相性の良い具材の幅
※「冷めて旨い」・・・5時間後の食味全般

 

※「くちほどけ」「包容力」「冷めて旨い」の3項目は、おにぎりに特化した評価項目として重視。

 

 

6.食味会結果
『にこまる』『つや姫』『銀河のしずく』の上位3銘柄を入賞とします。

 

 


第2回「おにぎり食味会」入賞銘柄チャート第2回「おにぎり食味会」入賞銘柄チャート

 

 


入賞3銘柄の点数表入賞3銘柄の点数表

 

 

7.個別評価

今回調査で最も評価が高かったのは、同率で山形県産『つや姫』(合計149点)と愛媛県産『にこまる』(合計149点)の2品種。同点首位という結果になりました。
 

山形県産『つや姫』は、「粒感」「適度な硬さ」「くちほどけ」「包容力」の4項目でトップ評価。その他項目も軒並み高評価で合計149点。「粒がぷりんとした弾力があり気持ちよく、まとまりも申し分ない。4時間後は粒の硬さが強調されるようになり、ザクっと噛み切れるような感触。粒のほぐれ具合は相変わらず申し分ない」(小池)、「具材との組み合わせによってはやや物足りなさは出るかもしれないが、名前の通り美しい味わい」(三浦)と、各審査員から高い評価が集まりました。
 

今回初登場ながら『つや姫』と同点で最高評価となったのが、愛媛県産『にこまる』。「食味」「のどごし」のほか、おにぎりで特に重要となる「くちほどけ」「包容力」「冷めて旨い」の3項目を含む5項目でトップの評価、合計149点となりました。「甘味が秀でていて、粒の大きさも申し分ない。冷めてからも噛みしめると力強い旨みが滲み出てくる」(小池)、「おにぎりにとって絶対条件である、濃い味濃い香り。海苔にも具にも負けない力強さが感じられた。この米ならありとあらゆる素材と組み合わせて楽しめる」(三浦)、と炊きたてごはんの状態より、特におにぎりにした時に力を発揮する銘柄として選ばれました。
 

続いて3位入賞は、前回も2位の評価だった岩手県産『銀河のしずく』(合計142点)。「食感」「のどごし」「冷めて旨い」の3項目でトップの評価。「粒に張りがあり弾け具合が気持ちいい。粒の大きさ・粘度・甘さは申し分なく、どのような具材でもしっかり受け止められる」(小池)、「粒の存在感があり、くちほどけもよい。冷めてからもしっかりハリがある。個人的には大変好みだが、あっさり目の味なのでおにぎりとしたら好みが分かれそう」(関)といった意見もあり、かなり評価が割れました。
 

次点は、北海道産『ゆめぴりか』(合計140点)と熊本県産『森のくまさん』(合計140点)。『ゆめぴりか』は「しっとりとした粒感。甘味の広がりを口の中で感じることができる」(小池)と「粒感しっかりでくちほどけ感も高く、冷めても美味しい」(中村)など「食味」「食感」「くちほどけ」「冷めて旨い」といった項目で高い評価を得ましたが、この品種の特徴である「ねばり」がおにぎり向きか否かで好みが分かれました。
 

『森のくまさん』は「食感」「くちほどけ」でトップ評価。「一粒ひと粒のお米がしっかりとして適度な硬さが、食べ応えがありながらも飽きがこない。バランス良くどんな具材にも合いそう」(小高)という半面「炊きたてでも食べ応えのある硬さが、冷めたときにマイナスになる」(中村)と、食感について好みが分かれる声もありました。
 

新潟県産『コシヒカリ』は、「ねばり」の評価が最も高い結果でしたが、他の項目では平均点の評価。「良くも悪くもいつもの味」という評価は最も定番化した銘柄の証ともいえそうです。長野県産『風さやか』は、総じて平均的な評価。「全体のまとまりはあるが個性に欠ける」という声が聞かれました。島根県産『きぬむすめ』は、「旨味や甘味は感じるが、味にコクや深みがない」と食味に対してやや厳しい声も。福井県産『いちほまれ』は、コメ自体の「食味」「ねばり」に対する評価を得るも、「くちほどけ」といったおにぎり独自の項目では厳しい結果となりました。
 

おにぎり協会では、今後も「おにぎりに合うお米」を調査し、発表をしてまいります。